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zoom RSS 【読んだ本】光の帝国 常野物語/恩田陸

<<   作成日時 : 2005/12/21 13:25   >>

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恩田陸のつくる螺旋階段に
自ら嵌っていくことが病みつきになりつつあります。
読みました。『光の帝国―常野物語』。
これが楽しくなってくると
恩田ワールドどっぷりになっちゃうんだろうなぁ…。

先にアップした『麦の海に沈む果実』も
本格的な“ループもの”(おいおい、勝手に括るなよ!)で、
一部blogでかなりの盛り上がりを見せていますが(笑)、
光の帝国―常野物語』も立派なループです。
連作短編なので、不思議はないっちゃぁ、不思議じゃないんですが、
収められている10の短編の登場人物が、さりげなく関わり合っていて、
おお!あの人物がここで登場するのか、
なんて思いながら読み進んでいくのが非常に楽しい。

「常野」というのは、特別な能力を持った一族の名前。
膨大な書物を記憶する力や、未来を予見する力、
遠くで起きていることを察知する力など、彼らの持つ能力はさまざまです。
群れず、権力を持たず、常に野に在ることを旨とする一族。
彼らは何のために存在するのか、そして、どこから来てどこへ行くのか…。
知的で穏やかな彼ら常野一族の、人と心を描いたファンタジーです。

収められている短編は、以下の10編。

大きな引き出し
二つの茶碗
達麿山への道
オセロ・ゲーム
手紙
光の帝国
歴史の時間
草取り
黒い塔
国道を降りて…

たとえば、「大きな引き出し」の春田記実子は、
「歴史の時間」で矢田部亜希子に常野一族の歴史を見せ、
亜希子は「黒い塔」で再び記実子に遇い、自分が本当は何者なのかを思い出す。
さらに「黒い塔」の中では、「二つの茶碗」の登場人物も亜希子に係わってくる。
また、「達磨山への道」で意外な未来を知ることになる泰彦の父・倉田篤彦は、
「手紙」の中で高校時代の友人たちから、常野に関する情報を集めている。
さらに、固有のキャラクターではないのだけど、
「オセロ・ゲーム」で拝島暎子を“裏返そう”とした不気味な何者かは、「草取り」の中でも現れます。

同じく恩田陸の短編集『図書室の海』を読んでいても感じたことですが、
『夜のピクニック』や『六番目の小夜子』『麦の海に沈む果実』のアナザーストーリーが収録されていて、
一体この人の頭の中は、どんな風に物語が整理されているのだろう?という単純な驚きを感じます。
そしてこの広大な恩田陸の世界に踏み出し迷い込んでいくことが、
読む側からすると、病みつきになるほど楽しいのです。

常野一族についての物語は、『蒲公英草紙 常野物語』で長編として描かれ、
2006年1月には『エンド・ゲーム 常野物語』が出来されます。
こちらは、「オセロ・ゲーム」の続編・長編らしい。

あとがきで恩田さんは、「大きな引き出し」の少年・光紀や、
「黒い塔」の亜希子にも大きな仕事をさせたいと書いているので、
常野一族のシリーズは、まだまだ続いていくのでしょう。

個人的には、本書ラストの一編「国道を降りて…」が、エピソードとしてとても好きなので、
律と美咲のその後の話も是非読んでみたい。
それに名前の字が違っているとはいえ、ミュウズに見守られているというフルート奏者・美咲は、
「光の帝国」に登場する少女・岬とも符合するので、
こちらも何かあるのではないかと期待してしまいます。

光の帝国―常野物語』 恩田陸 著
集英社文庫 \520-
光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

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光の帝国    常野物語   恩田陸
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光の帝国―常野物語 ■やぎっちょ評価コメント 通常。たまっている本を順番に読んでから新しく買った本にチャレンジするのですが。手、出してしまいました。陸ちゃんに。 ふらふらーっとブックオフに入って、何とはなしに眺めているとこの本が呼ぶんです。「いいの?買わ.... ...続きを見る
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多趣味が趣味♪
2006/08/12 10:05

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。TB、こちらからもさせて頂きました。
恩田さんの本に、今はまりつつあります。恩田さんの作風の中でもちょっと異質かも知れませんが「ドミノ」がお勧めです。
これからも、おじゃまさせて頂きます(^_^)
こおろぎ
2006/05/28 23:03
>こおろぎ さん
コメントとTBありがとうございます(^_^)
はまる人ははまりますよねぇ、恩田ワールド。
私もその一人です。
『ドミノ』も読みましたよ!
このblogを始める前に読んだので記事は書いてませんが、面白かった!
確かに他の恩田作品とは毛色はだいぶ違うけど、あのドタバタ感とスピード感と登場人物の多さと繋がり具合…大笑いしました。
浅田次郎さんの『オーマイガァッ!』にも近いような感覚でした。
私の方はblog初めて半年過ぎたあたりで更新頻度がダレてきてますが(^o^;、これからもよろしくお願いします。
こばけん
2006/05/29 00:31
篤彦と泰彦が親子だって、すぐ分かりました?
私分からなかったですよ〜。
誰、この人?って「手紙」読んで疑問でした(笑)
読み落としちゃったのかな?

「国道を降りて・・・」は私も好きです。
美咲にはまだ何かありそうにも思うし
「光の帝国」のラストで「戻ってくる」って言っていたので、
戻ってきた!っていうだけなのかも。

ちょっと「光の帝国」がつらすぎました。
あのテイストで長編は、勘弁してほしいです。
号泣しそう・・。
びー玉
2006/06/28 10:35
>びー玉さん
わりと注意深く読んでいたので、
けっこう気付きましたよ(^_^)v

確かに「光の帝国」は、あのテイストのまま長編化するのはつらそうですね。
きっと恩田さんは救いのある物語にしてくれると思いますけど。。
こばけん
2006/06/28 20:03
こばけんさん、こんにちは!
「常野」シリーズも面白そうですね!
私も『国道を降りて・・・』好きです。
わざと道を間違えていた律の可愛らしさにグッときました(笑)
続編の『蒲公英草紙』と『エンドゲーム』も読みますね。
tomekiti
2006/08/12 10:10
>tomekitiさん
「常野」シリーズ、はまってますか〜?
続々と新しい物語が生まれてきそうで、
ほんとに楽しみなシリーズです^^
こばけん
2006/08/18 12:16

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