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zoom RSS 【読んだ本】曙光の街/今野敏

<<   作成日時 : 2006/02/08 21:26   >>

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久々に本格ノワール小説を味わった!
文庫の帯にあるとおり、まさに「どっしり」です。
元KGBののヒットマン。
警視庁公安の刑事。
野球選手崩れの極道。
ぉぉぉお!ネオ・アクション・ノヴェルだぜ!
とゆーのめり方を久しぶりに楽しみました。

ソ連崩壊後、いまや食うや食わずの生活をしている
元KGB工作員、ヴィクトル・タケオビッチ・オキタのもとを、
かつての上司、今ではマフィアの頭目となっている
アレクサンドル・オギエンコが訪れる。
オギエンコから大事なものを奪った日本のヤクザを
暗殺して欲しいという依頼を携えて。

一方、警視庁公安部外事一課には、とある指定団体の代表の命を狙って、
ロシアから暗殺者が訪日するとの情報が入り、
警部補の倉島達夫と係長の上田が、たった二人でこの事件を担当することになる。
ソビエト連邦が崩壊し、米ソの冷戦がなくなった現在、
かつては公安の花形だった外事一課の仕事も単調なものとなり、
倉島は自分の仕事にやりがいを見いだせないでいた。

兵藤猛は博徒系のヤクザ、津久茂興業の組頭の側近を務めている筋金入りの極道。
元はプロ野球でチームの4番を打つスラッガーだったが、
暴力事件を起こして球界を追われ、津久茂の元に身を寄せた過去を持つ。
兵藤自身は昔気質の極道を貫き通すつもりだが、組は会社組織の様相を強めていて、
津久茂興業の上層部は、大学でのインテリ経済ヤクザが幅をきかせている。
組長と最も付き合いが長い兵藤の肩書きは、代貸しでも若頭でもなく「営業部長」だ。

KGB解体後、すっかり人生を降りたような生活をしていたオギエンコが、
再び戦いの世界に身を投じることを決心し、日本へ飛ぶ。
正直言って仕事をナメていた倉島は、ヴィクトルに近づこうとし、
本物のスパイと渡り合うことに恐怖を感じるが、同時に胸の内に闘志が湧いてくる。
組長の命が狙われていることを知った兵藤は、格闘には自身があったが、
百戦錬磨のヒットマン・ヴィクトルに手玉に取られ、自信を喪失しそうになる。
しかし、その悔しさがむしろ兵藤を奮い立たせる。

役者は揃った。
元KGB、ロシアンマフィアのヒットマン。
スパイによる暗殺阻止に燃える公安警察の第一線刑事。
プロスポーツで鍛えた体を持ち、闘うことで存在意義をおぼえる極道。

ヴィクトルや兵藤のアクション・シーンは、迫力とスピード感充分で、
息をもつかせぬ感じでぐいぐいと惹きつけられていきます。
そして黒幕ロシアンマフィアと日本のヤクザの関係、その裏にうごめく黒い思惑、
さらには事件進展の中で徐々に明らかになる、冷戦時代の日露間に存在した驚愕の事実。
スパイ小説でアクション小説でノワール説であるこの作品には、
3人の男達の挫折や再生、悲哀が描かれています。
また、真実が明かされるキーとして存在するロシア美少女、エレーナが悲しい。

物語が一気に終焉を迎えるのは12月のとある日の夜明け前。
曙光の街で男たちの戦いに幕が下りるのです。
いや、そして同時に幕が開いたのかもしれない。

蛇足ですが、お腹の弱いヒットマンて、ちょっと可笑しいw

曙光の街』 今野敏 著
文春文庫 \660-
曙光の街 (文春文庫)

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
最近の、彼の本読んでないなぁ
twink!
2006/02/09 09:52

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