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zoom RSS 【読んだ本】一角獣・多角獣/シオドア・スタージョン

<<   作成日時 : 2006/03/22 22:21   >>

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実を言うと、シオドア・スタージョンは初めて読んだのですが、
なんとも奇妙な魅力を持った、まさに“異色”な作家です。
しかも、この『一角獣・多角獣』という本は、
もともとは1964年(昭和39年)に刊行されたもので、
今となっては非常に手に入りにくく、
ネット・オークションでは数万円の値が付く稀覯本と化していたものが、
早川書房創立60周年記念として「異色作家短篇集」が復刻され、
この『一角獣・多角獣』も42年ぶりに復刊されたというわけです。

さて、本作の魅力は、というと・・・う〜ん、書きづらい。。
ミステリ風の展開を見せたかと思えば、SF的なアプローチもあり、
ファンタジー風の設定で始まるものもあったりと、
スタージョンという作家の書く一篇々々が、
不思議で奇妙な魅力に満ちているのです。

収録された短篇を列挙すると、

「一角獣の泉」
「熊人形」
「ビアンカの手」
「孤独の円盤」
「めぐりあい」
「ふわふわちゃん」
「反対側のセックス」
「死ね、名演奏家、死ね」
「監房ともだち」
「考え方」

の10篇で、どの短篇もそれぞれ違った魅力を持っています。
気味悪い後味の物もあれば、美しくまとまるストーリーもあり。
読んでみると、スタージョンがおよそ半世紀も前の時代から
多くの読者を魅了しつづけたのが理解できます。

それぞれの短篇の物語の結びについても、
“救いのない”状態のものとハッピーエンドのものと両方あり、
どのように着地するのか、読みきるまで予想できないところも魅力でしょう。

10篇のうち一つだけあらすじを紹介すると、
巻頭の「一角獣の泉」は、
沼地のほとりにある村にリタという地主の娘が住んでいて、
この美しい娘は同じ村に住むデルという青年に、月のかがやく晩に食事と酒をふるまいます。
一方、沼地の近くにはバーバラという目立たない娘が住んでいて、
彼女は沼地の奥にある真水の湧く泉で、
処女だけがその胸に捕らえることができるという伝説の一角獣(ユニコーン)と出会います。

リタがデルに振る舞った酒と食事は悪意に満ちたものでした。
酒に薬を混ぜられ視力を失ったデルは、リタを追いかけ、出口を探し、
無様に暴れ回って大けがをした末、地主の屋敷から命からがら抜け出します。

傷だらけで倒れているデルに、一人の娘が近づいて介抱しようとしますが、
目の見えないデルは、この娘をリタだと思って、
仕返しに“一角獣を捕まえられない”ようにしてしまいます。
ところが、仕返しをしてやったと思った娘は…。

数週間後、薬の効き目が切れて視力の戻ったデルは、
何故あのようなことをしたのかとリタに詰め寄り、
おまえはもう一角獣には出会えまい、と得意げに罵るのですが、
リタは、バーバラに案内をさせて一角獣を捕まえに行く、と言い出す始末。
はたして一角獣を捕獲すべくリタは沼地の奥へと出かけますが、その結末は…。

といった具合で、短い物語ながら、その先にどんな展開が待ちかまえているのか、
そしてどのような結末を迎えることになるのか、まったく予想がつかないのです。

初めてでありながら、その魅力を十分に堪能することの出来たスタージョンについて、
うまく書き表すことのできない自分の表現力の無さに泣けてきますが、
世の中にこんな作品群を残した作家がいたのか!と驚嘆すると同時に、
代表作と言われている「人間以上」という作品も読んでみたくなりました。

また、「めぐりあい」「反対側のセックス」の2つの短篇で取り挙げ、
おそらくスタージョンがこだわっていたのであろう
“シジジイ”という概念も非常に興味深い物でした。
これについてもここで表現するのが難しいので、本作にその説明を譲ることにしたい。
(ずいぶんと無責任なレビューだこと!w)


一角獣・多角獣』 シオドア・スタージョン 著
早川書房 異色作家短篇集(3) \2,100-
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

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