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zoom RSS 【読んだ本】ネクロポリス/恩田陸

<<   作成日時 : 2006/05/27 18:14   >>

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読んだ〜!どっぷり浸りました。恩田ワールド全開の『ネクロポリス』。
読み終えた今、なんだか“不思議な異国へ長旅に出てようやく帰ってきた”ような気分です。
そして旅路が長すぎて、このブログへの書き込みも半月ぶりになってしまいました(汗)

この物語の登場人物は、主に「V.ファー」という国の人々。
東洋と西洋、とりわけ英国と日本の影響を受けながら成り立ったこの国には、「ヒガン」という風習があって、
年に一度「アナザー・ヒル」という彼らの“聖地”に一ヶ月ほど滞在し、
この「ヒガン」の時期に聖地へ帰ってきた故人と邂逅します。
ところがこの「アナザー・ヒル」へ帰ってくる「V.ファー」国民の故人は、実体を伴っていて、
生きている人たちと、実際に会うことができ、会話することも可能で、意思の疎通が出来るのです。
「V.ファー」の人々は、実体を伴って帰ってくる故人を「お客さん」と呼び、
「お客さん」に会うために、毎年、聖地である「アナザー・ヒル」で「ヒガン」を過ごします。

「V.ファー」の国民ではないものの血縁があるということで「ヒガン」への参加資格を得た
民俗学を研究している日本人の大学生・ジュン(ジュンイチロウ・イトウ)は、
初めて「アナザー・ヒル」を訪れるのですが、
今年の「ヒガン」は、例年になく人々が興奮に包まれた様子。
なぜなら巷では「血塗れジャック」なる謎の連続殺人犯が5人も殺していて、
その被害者が「お客さん」として「ヒガン」に現れるかも知れないからなのです。

期待と興奮に満ちた人々がボートに乗って、孤島「アナザー・ヒル」に到着してみると、
聖地への入り口を示す大鳥居に死体がぶらさがっている!
この事件を皮切りに、ヒガンの期間に入ったアナザー・ヒルでは、
犬が殺されたり、第二の殺人事件が起きたり、人が行方不明になったりと、
次々に不可解な出来事が矢継ぎ早に起きていきます。

初めてのアナザー・ヒルやヒガン、V.ファーの人々の常識に初めは戸惑っていたジュンも、
立て続けに起こる事件や出来事に巻き込まれるうちに次第に順応していきます。
しかも、ことあるごとに何故か事件の中心人物として巻き込まれていくジュン。
聖地で殺人事件が起きたことに伴って催された、犯人捜しの儀式「ガッチ」でも、
とんでもない目にあった上に注目を集めてしまい、居心地の悪い思いをしてしてしまう。

V.ファーの人たちにすら理解しがたい数々の事件や超自然現象
これは一体なにを意味しているのか、聖地になにが起こっているのか。
たくさんの疑問を抱えたまま物語は終盤に向けて一気に集約されていきます。

ジュン、古くより聖地を守っているとされる原住民の「ラインマン」、
そして聖地に関連して特殊な事情を抱えたある人物…
その他アナザー・ヒルを訪れているすべての人々の前で、疑いや不安が一斉に氷解し、
すべての出来事を説明する真実と現実とが姿を露わにして大団円を迎えるやに見えますが、
メデタシメデタシで終わらないのが恩田ワールドのニクイところ。
いますべてが終わるのではなく、
世界がまだまだ続いていくことを仄めかしながら物語が結ばれます。

現時点での恩田ワールドの集大成、と言っても過言ではない作品。
恩田陸という作家が私たちに見せるのは、人物やストーリーといったものだけでなく、
“世界観”なのだということを改めて強く感じることのできる作品です。

その恩田世界を十二分に堪能し、大満足な気分で帰ってきた“長旅”でした。
ただいま。私の現実世界。あ〜あ。
いつものことだけど、恩田さんの本て、
読み終えてしまうのがホントに残念な気分にさせられるんですよね。

ネクロポリス 上』『ネクロポリス 下』 恩田陸 著
朝日新聞社 各\1,890(税込み)
ネクロポリス 上

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2006/08/29 14:59
『ネクロポリス(上)(下)』 恩田陸
necropolis=(特に古代都市の)大(共同)墓地 ...続きを見る
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2007/01/09 22:42
ネクロポリス 恩田陸
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2007/03/14 11:50
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2013/07/10 06:53

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
私、これレビュー書けなかったんですよ。
読み終わっても、パッと戻って来れなかったというか・・・。
なんか魂を吸い込まれたようで、あらすじをまとめられなかったです。
すごくパワーが要りませんか?
相変わらずこばけんさんは、キレイにまとめますよねえ。
いいや、今度レビューアップするときは、リンクさせてもらおう☆
あらすじはコチラにって(笑)
びー玉
URL
2006/05/27 20:15
おお!早速、つーか、upからわずか2時間後の激早コメント、ありがとうございます。>びー玉さん

いやー、正直な話かなり悪戦苦闘しましたよ。
読了直後はさすがに無理で、火曜日(5/23)に読み終わってようやく今日(5/27)になって書けました。
ただの長編ならともかく、ここまでどっぷりの恩田ワールドですからねぇ。。それだけに堪能しました。

>いいや、今度レビューアップするときは、リンクさせてもらおう☆
>あらすじはコチラにって(笑)
褒めすぎですって(笑)

もともと備忘録的に書き始めた本読みblogなので、感想というより要約になりがち。
びー玉さんの記事みたいに“読ませる”文章を書ける人がうらやましいですよ。
こばけん
2006/05/27 21:06
これってもしかして、うわさの「下巻」ですか?
ぴー(ピー夕一)
2006/06/01 16:22

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