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zoom RSS 【読んだ本】4TEEN/石田衣良

<<   作成日時 : 2006/06/10 17:02   >>

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遅まきながら読みました。直木賞受賞作。
良いですねぇ。
なんとなく想像していたとおりの青春物語でした。
しかし、都会で暮らす今どきの14歳の少年4人が織りなすストーリーは、
恋愛とかスポーツとか受験勉強とか、
暢気なオトナが中学生にうっかり期待してしまいそうな、
そんな生ヌルイものではありませんでした。

東京の埋め立て地・月島に暮らす4人の少年は、
物語を語る主人公テツロー。
不良でもなければ優等生でもなく、かといってスポーツ万能名わけでもない、
どこにでも良そうな中学2年生。
クラスの中でもひときわ体が大きくて、というより太っていて背も高いダイは、
食べ物の方も人一倍よく食べる。
ジュンは、大人びていて冷静で頭の回転が速く、勉強もよくできる。
そしてもう一人、ナオトは、通称「早老症」と呼ばれる
「ウェルナー症候群」という難病にかかっていて、人の3倍の速さで肉体が歳をとってしまい、
中2だというのに髪は白髪で皮膚には皺が刻まれてしまっている。

というようにいきなりヘビーな展開。
仲良しチームに難病の子がいるなんて、まずそれだけで自分に当てはめにくい。
第一話の「びっくりプレゼント」では、
入院中のナオトの14歳の誕生日プレゼントを探しに3人が渋谷へ繰り出し、
集めた小遣いで援助交際のギャルをプレゼントしてしまう。

2話目の「月の草」では、拒食症のクラスメイト・立原ルミナとテツローとの
二人の心を往き来する、ちょっとイタいけど本人はいたって真面目な恋心が描かれ、
第3話「飛ぶ少年」には、目立ちたがり屋だけどスベリっぱなしで、
クラスでは完璧に浮いてしまっている同級生・関本ユズルが登場し、
さびしい目立ちたがり屋の本心が吐露される。

以降、8つの短編からなる本作『4TEEN』では、
ジュンの34歳人妻との不倫、病院を脱走した末期ガン患者との遭遇と交流、
クラス一の美少女から告られたのに付き合おうとしない同級生の驚くべきカミングアウト、
結果的に父親を殺してしまったダイ、プチ家出の少女たちとのテント生活、などなど、
実に波乱に満ちた14歳の少年たちの一年間が描かれてゆく。

小説だからこそ、リアリティのない荒唐無稽な出来事が次々と起こるのですが、
一つひとつの事件は、実際に今どきの中学生の身の回りで起きても不思議ではないのかな、
なんて事を考えたりもしました。

そうした出来事を通じて描かれる少年たちの心の動き、
自分の中だけで葛藤することや、お互いの関係について考えること、
どことなく醒めていて割り切ってしまっている部分、
でも本当はこうありたいと心に秘める希望や決意、彼らの様々な心情や行動が瑞々しい。

14歳の心なんて、遠い昔に置き去ってきてしまったから、大いに共感することはないけれど、
自分にもこんなに切ない気持ちを抱く頃があったことを少しだけ思いだし、
ちょっとだけ目頭が熱くなりました。

4TEEN』 石田衣良 著
新潮文庫 \500(税込み)
4TEEN (新潮文庫)

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石田 衣良 著 「4TEEN」
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おいおい、よくみたら20日ぶりの更新じゃん>自己レス
スミマセン、ほんとに。
これからは、もちょっとマジメに更新します。
こばけん
2006/06/12 01:26
この人は小説より「見た目とたたずまいで」女性に絶大な人気が
ありますねー。テレビのコメンテーターでもけっこうでてるし…
声がいいんだそうです。声が!
たかおか
2006/06/18 11:17

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