【読んだ本】まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん

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勘の良い方はお気づきだろうが、
これはさすがに“読んだ”うちに入っていない気がする(^_^;
前掲の『風に舞いあがるビニールシート』に続き、
買い置いてあった「オール讀物9月号」で、
6篇からなる連作短篇のうち2篇を読んだだけなので、
さすがに単行本を買って読んだ人に失礼かもしれない…
しかし、これはいかん。
2篇読んだら残りの4篇が気になって気になって!
これを書き終えたら単行本を買いに行こう。
(順序が逆だというツッコミはこの際ご容赦下さいw)

東京郊外にある30万人都市「まほろ市」の
駅前にあるという便利屋がこの物語の拠点。
営むのは、それなりに大学を出てそれなりの企業に就職し、
それなりに結婚したが離婚した多田という男。歳はおそらく30代半ば。

駅前の自宅兼事務所で細々と便利屋を営む多田のところに、
ひょんなことから転がり込んだ高校の同級生、行天晴彦。
彼も離婚をして仕事も辞めアパートも引き払って、
正月だというのに行くところもなければ、ほぼ一文無し。
なしくずし的に一緒に便利屋の仕事をする多田と仰天。

彼らの元に舞い込む仕事は、庭の草むしりだとか、
庭にネコの死骸があるから片づけて欲しいとか、
押し入れのつっかえ棒を取り付け直して欲しいとか、
そんなの自分でやれよ、と突っ込みたくなるような用件ばかりだが、
そのおかげで便利屋の商売は成り立っている。

犬の散歩の依頼をきっかけに、ある家族の事情に関わることになったり、
塾帰りの小学生のお迎えを依頼されて、とんでもない事実を知ってしまったりと、
便利屋には、依頼の陰にそれぞれの人間模様やドラマがある。

便利屋の主・多田と、居候・行天の性格や考え方の違いが軽妙で面白く、
2篇だけ読んだいまは、この後この二人はどんな依頼や事件に向き合うのか、
そして、多田という主人公は、行天晴彦という人物は、
一体どのような過去を背負い、どんな経験をしてきたのか、
さらに今後この二人はどんな関係を築いていくのか。

さらにこの作品は、ロストジェネレーションとも呼ばれる世代の人物が多く登場し、
触れざるを得ない現代社会の、歪みや暗がりに近づくシチュエーションもあり、
これはどうしても読んでみたくなります。

ということで、「読んだ本」の感想ではなく、
「これから読む本」のくどい予告になってしまいました。

脱線しますが、
「オール讀物」には劇がタッチのカッコイイ雰囲気の挿画が添えてあって、
どうしてもイメージが引きずられてしまい、私の頭の中では、多田と行天が、
「軽井沢シンドローム」「我が名はウルフ」はたまた「依頼人より一言」という
懐かしの“たがみよしひさワールド”の登場人物になってしまって、
なんだかニヒルでワイルドでスタイリッシュな二人、というイメージで読んでいたのですが、
たぶん、違うんだろうな。いーや、ぜったいに違うだろう。
読む前は、郊外の駅前のしがない便利屋の話、ということで、
カクスコの芝居みたいな人たちを想像してたんだけどな。

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まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん 著
文藝春秋 ¥ 1,680 (税込)

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この記事へのコメント

2007年01月28日 01:00
こんにちは。
評判がいいようなので読んでみました。
一つ一つの事件は派手ではないのに、
人間ドラマがジンときたりして、面白かったです。
三浦さんの本を読むのはこれが初めてでしたが、
読みやすくていいですね。
こばけん
2007年01月30日 22:48
>nanayoさん
コメントとトラバありがとうございます。
nanayoさんのブログにもTB張らせていただきました。

私も三浦さんは初めてでしたが、わりと好きな作風です。
予告通り単行本を買って全編読みましたが、
やはり一冊通して読んでこそ良さが分かりますね。
多田や行天の人となり、想いや生き方などの人間像が、
じわりじわりと伝わってきて、
突拍子もないキャラの登場人物やへんてこな出来事以上に、
作品自体を楽しむことが出来ました。

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