【観た映画】幸福な食卓
ブレイクの予感!です。
なにが、って主人公・佐和子を演じた新人の北乃きいちゃんが、です。
ミスマガジン2005グランプリ、とかですが、
今後は、ドラマ、映画に専念して役者としてすくすくと育っていただきたい。
地味でもなんでもいいから芝居を続けていけばきっと素敵な女優さんになりそうです。
映画自体は、正直いって地味な作品だと思います。
目玉になるような派手な役者さんが出ているわけではなく、
原作も吉川英治文学新人賞を獲った瀬尾まいこさんのベストセラー、と言っても、
知ってるのは本をよく読む人くらいだろうし、
1月27日全国ロードショー、って、上映館すくないし。
ただ、この作品は胸に沁みるものがある。
毎朝、家族全員で食卓を囲むのが暗黙のルールとなっている中原家。
ある朝、父親(羽場裕一)が「父さんをやめる」と宣言する。
教師の仕事を辞めることはできても、父親をやめることなんてできっこないのに。
その食卓に母親の姿はない。
いるのは主人公の佐和子(北乃きい)と兄の直(平岡祐太)だけ。
そう、母さん(石田ゆり子)は、家を出て行ってしまって、
近所のアパートに独りで暮らしている。
しかし「母さんをやめた」わけではなく、ときどき帰ってきて掃除や洗濯をしたり、
アパートで佐和子とお昼ご飯を食べたりする。
この家族は、すでにおかしい。
母は家を出てしまい、父は「父さんをやめる」といい、
高校まで学業優秀だった兄の直は、大学に進まず農業を始めている。
そんな中、中学三年の佐和子のクラスに、大浦勉学(勝地涼)が転校してくる。
佐和子と大浦くんは、普通に仲良くなり、普通に恋愛をして…。
大浦くんの口ぐせの「おうっ」という返事を、
小声で自分だけに聞こえるように「おうっ」と繰り返す佐和子の仕草や表情、
とても自然でかわいらしい。
ちぐはぐな家族と暮らしながらも、すべてを受け入れ、前向きにとらえ、
印象最悪の直のガールフレンド、小林ヨシコ(さくら)とだって、
ちゃんと正面から付き合おうとする。
受験生でありながらクリスマスが近づくと、
佐和子は母さんに教わって大浦くんのためにマフラーを編み始め、
大浦くんは佐和子にプレゼントを買うために新聞配達のアルバイトを始めたと告白する。
佐和子は、着々と幸せが自分のものになっていく充足感をかみしめる。
そんな佐和子に、14歳の女の子にはとうてい堪えられそうにない悲劇が訪れます。
しかし皮肉なことに、その悲劇が佐和子の家族のほころびを元に戻すきっかけになっていくのです。
この物語の核となるのは、もちろん佐和子と大浦くんです。
勝地涼くんは、とても爽やかに大浦勉学役を好演しています。
そして、冒頭でもふれたように佐和子を演じる北乃きいちゃんが、
新人らしい瑞々しさと、新人とは思えない自然さで、作品全体に好印象を与えています。
とても悲しいけど希望の光も見えるラスト。
そこで流れるこの映画のテーマ曲、ミスチルの「くるみ」が胸に沁みます。
希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える
あー、ここでやめときゃいいんだけど、どうしても書きたい。
物語の本筋とはまったく絡まないんだけど、
佐和子のクラス担任役が、カクスコの中村育二さんだったのが嬉しかった。
あいかわらず良い声してますわー、育二さん。
『幸福な食卓』オフィシャルサイト

原作『
講談社 ¥ 1,470 (税込)
この記事へのコメント
しかし、こばけんさん良く映画みてますね。
たしかに自宅でDVDで観てじんわり感じるのもいいかも。
派手じゃない作品だからこその良さなんでしょう。
> しかし、こばけんさん良く映画みてますね。
週末、ヒマだからねー(/_;)
でも今年はのっけからハイペース。
5週間で映画×3本、芝居×3本観たよ。
や、数じゃないのは充分わかってますが。
なんだかチャンスに恵まれて☆
や、まぁ、ミスマガジンだから…w
気持ちは分かります。
だからこそ、地味でも何でも女優の道を歩み続けてほしい!と。
こうなってくると、ハチクロにおける「修ちゃん」目線ですな。
個人的には独身の石田ゆりこが、最近お母さん役ばかりなのが
気になります。きれいなお母さんだけど…
こばけんさん、きいちゃん、好きそう(笑)
たしかに石田ゆり子のお母さん役多いよね。
でもこれが良いんだなぁ~。
『四日間の軌跡』の石田ゆり子も素敵でした。
>ミ~チカさん
アクセスありがとう~^^
いいねぇ~、きいちゃん。
個人的には、最近、蒼井優ちゃんがツボですが、
北乃きいちゃんもなかなかどうして!
たしかにきいちゃん、よかったですよね。
映画の宣伝見ただけでなんだかドキっとしました。
なんだかきれいな空気を持っている子って気がしました。
「バブルでGO」気になってたんですけど
こばけんさんのレビュー見てますます観たくなりました。
私も超ストライクですから!
TBとコメントありがとうございます。
そー。清廉な雰囲気を持ってるんですよね。
きいちゃんもそうですが、この映画自体も。
あーら、同世代なら観て笑いましょうよ>『バブルへGO』
先日、現役の学生に「ホントにああだったんですか?」って真顔で質問されました(笑)